あさことりの日記

8歳と0歳の育児中。

分娩台でマスク着用・・・コロナ禍の出産の思い出

日本でコロナが広まり始めたのが2020年2月ですが、私が自分の妊娠に気が付いたのもちょうど同じ時期でした。不妊治療を経ての妊娠でした。

いつもとは違った特殊な環境での妊娠・出産だったので、振り返りながら書いてみたいと思います。

 

妊娠判明と同時に2週間自宅療養

2月に妊娠がわかったと同時に、血腫が見つかったため自宅安静を言い渡され、いきなり2週間仕事を休みました。その時は、コロナ患者は日本で数人だったため、2週間休んだからといって「コロナか?」というような疑いをかけられることはありませんでした。

 

 マスク必須の妊婦生活

3月頃から、マスク着用が浸透してきました。つわりでちょっとしたニオイに「うっぷ」となるのは、マスク着用でだいぶ防ぐことができていたように思います。

が、大変だったのは夏。とにかく暑い。お腹が苦しく、仕事の制服がキツく、マスクで呼吸もしにくい。あまりに息がしにくいので、マスクを軽くひっぱり口元に空間をつくる、周囲に人がいない時はマスクを外すなどをして、何とか乗り切りました。

 

コロナ感染への不安

私はどちらかというと楽天的な性格のため、「お腹の赤ちゃんにまで感染したら」とか、「自分が感染しても薬が飲めない」などの不安はありませんでした。

 

職場の人たちは、「あさことりさんに感染させたらいけない」と私が座るテーブルにアルコールをシュッシュしてくれたりと気遣ってくれました。

 

コロナが本格的に広まった時には「お勧めはしないけれど、出産まで仕事を休む選択肢もありますよ」と上司に言われたけれど、私は産休ぎりぎりまで働きたかったのでそのように伝え、かわりに在宅勤務を多めにしてもらいました。

 

切迫早産で入院

8月、出産予定日の1カ月半ほど前に陣痛が来てしまったため、入院となりました。

3週間弱入院していましたが、入院中もマスクは相棒でした。個室だったため、いつもは外していましたが、看護師さんが来てくれた時はマスクを装着。看護師さんが急に来ることがあるので、枕元にマスクを置いて、いつでもスタンバっていました。

 

入院期間のお見舞いは不可だったので、主人との荷物(洗濯物など)の受け渡しはすべて看護師さんを通してでした。

面会は土日の「窓越し面会」のみ。窓口とかではなく、本当に普通の「窓」越しに顔を見るだけなので、携帯で通話しながら顔を見る感じです。

当時小2の長男もいつも来てくれましたが、「何話したらよいかわからない」と言われ、会えるのを心待ちにしていた割にあまり盛り上がりませんでした。

 

立ち合い出産について

 長男出産の際にできなかったので、次男の時こそは立ち合い出産してもらいたいと思っていました。出産ってすごい痛いので、そばで励ましてほしい。それから、どのくらい大変な思いをして出産するのかを間近で見てほしいというのがその理由です。

 

が、コロナ禍のため立ち合い出産は不可でした。

緊急事態宣言中ではなかったため、立ち合いを受け入れている病院もありましたが、私が入院していた病院はリモートでの立ち合いのみ可能。

三脚のようなものが分娩台のそばにあり、それを自由に使って良いとのこと。LINE通話等で立ち会うご夫婦が多いと説明されました。

 

出産が平日の深夜~早朝だったこともあり、この時間に起こしてまでリモートで立ち会ってもらわなくて良いか、と思い、諦めました。

 

分娩中もマスク着用

まさかと思いつつ覚悟していましたが、分娩台でもマスク着用でした。

「申し訳ないけれど、出産中もマスク着用です。出産近づいたらビニールカーテンもつけるからね。」と助産師さんに言われ、マスクをしながら陣痛に耐えていました。マスク慣れしていたので、「まあ、大丈夫か。」といった感じでした。

が、出産が進むと呼吸が苦しくなってきます。痛すぎて、うまく呼吸することができなくなってくるんですよね。「吸ってーー、吐いてーーー」のリズムに合わせられず呼吸困難になりかけていた私は、気が付いたらマスクをはぎ取っていました。

そこでマスクを無理やりつけてくるほど助産師さんも鬼ではなく、少ししたら酸素マスクを取り付けてくれました。

 

もうすぐ産まれそう、という状態になると、予告通りビニールカーテンが設置されました。ちょうど胸の下を通る感じで、お股の方にいる医師や助産師さんとの間にカーテンが置かれます。透明のビニールなので、向こうの様子はぼんやりと見えました。

 

赤ちゃんが生まれたらお腹の上に乗せてくれましたが、ビニールカーテン越しでした。出産で疲れていたこともありよく見えませんでしたが、カーテンの脇から手を伸ばし、赤ちゃんの手を触ることができました。

 

夫と 赤ちゃんとの対面も窓越しで

出産した日の昼頃、旦那が赤ちゃんを見に来てくれました。その際の面会ももちろん窓越しでした。赤ちゃん触りたかっただろうなぁと思います。

旦那が直接赤ちゃんに接することができたのは、退院して病院を出た時でした。

 

一番の心残りは立ち合い出産ができなかったこと

長男出産時から「次回こそは」と思っていた立ち合い出産。3人目を産む予定はないので、最後のチャンスでしたが叶わなかったことは残念です。

でも、私にとっては一生に何度もない機会ですが、医師や助産師は毎日のように出産の場面に立ち会っています。それを考えると、「立ち合い出産不可」「分娩時もマスク着用」等は、医療従事者を守るためには当たり前のこと。

助産師さんが雑談の中で、「ドラえもんの映画を子どもと観に行きたいけれど、今(職員は)映画館に行ってはいけない決まりになっている」と話していました。仕事のためにプライベートまで制限されているとのこと。

妊婦もつらいですが、医療従事者の方々はもっともっと我慢しています。早くコロナが収束することを願うばかりです。